力尽きてからしばらく時間が経ちましたが、色彩検定1級2次試験の例題解説、ようやく書きました。問題文はこちらです。
解答例:私の解き方
STEP1 解答するための表を用意
表をつくります。問題集で練習するときはノートに、試験本番では配色カードの裏側に書きまくりました。※色彩検定1級2次は解答欄以外へのメモは禁止されています
この例題では5つの解答欄があればいいので、こんな表になります。ちなみに、問題文を読む前に解答欄を見てこの表を作ります。そして、問題文を読みながら穴埋めしていきます。
解答欄 | 解答 | トーン | 色相 | 彩度 | 明度 | メモ |
壁 | ||||||
カーテン | ||||||
椅子 | ||||||
ラグ | ||||||
壁のパネル |
STEP2 それでは問題を読み始めましょう!
条件1
1.壁、カーテン、椅子は「やさしい」または「柔らかな」イメージとなるようなトーンから選択する
やさしいトーンはp+(ペール)、柔らかなトーンはsf(ソフト)です。なので、このように書きます。
解答欄 | 解答 | トーン | 色相 | 彩度 | 明度 | メモ |
壁 | p or sf | |||||
カーテン | p or sf | |||||
椅子 | p or sf | |||||
ラグ | ||||||
壁のパネル |
条件2
2.壁は中彩度とし、黄緑の色相から選ぶこと
中彩度のトーンは、lt+、sf、d、dk。黄緑の色相は10番。
解答欄 | 解答 | トーン | 色相 | 彩度 | 明度 | メモ |
壁 | p or sf 中彩度⇒sf | 黄緑 ⇒10 | ||||
カーテン | p or sf | |||||
椅子 | p or sf | |||||
ラグ | ||||||
壁のパネル |
あ! この時点で壁が「sf10」と決まりましたね。
解答欄 | 解答 | トーン | 色相 | 彩度 | 明度 | メモ |
壁 | sf10 | p or sf 中彩度⇒sf | 黄緑 ⇒10 | |||
カーテン | p or sf | |||||
椅子 | p or sf | |||||
ラグ | ||||||
壁のパネル |
条件3
3.カーテンの色は壁に対してトーン・イン・トーン配色とし、類似色相で中性色
カーテンの色について3つの指定があります。
- 壁に対してトーン・イン・トーン
- 壁に対して類似色相
- 中性色
解答欄 | 解答 | トーン | 色相 | 彩度 | 明度 | メモ |
壁 | sf10 | p or sf 中彩度⇒sf | 黄緑 ⇒10 | |||
カーテン | p or sf 壁とトーンイントーン | 壁の類似色相 中性色 | ||||
椅子 | p or sf | |||||
ラグ | ||||||
壁のパネル |
壁の色は条件2で【sf10】であることがわかりましたので、条件3はこんな文章になります。
- 【sf10】に対してトーン・イン・トーン
- 【sf10】に対して類似色相
- 中性色
色彩の基礎知識より、
- トーン・イン・トーン配色・・・同一トーンで色相が異なる色の配色
- 類似色相・・・色相差2か3
- 中性色・・・暖色でも寒色でもない色。色相番号「9〜12、20〜24」の色
これを条件に反映すると、
- 【sf10】に対して<同一トーンで色相が異なる> ⇒ トーンはsf確定
- 【sf10】に対して<色相差が2か3> ⇒ 色相番号は7、8、12、13のいづれか
- <色相番号9〜12、20〜24の色>
- 中性色
- 紫系色相で明度の高い色相
- 壁・カーテンに対してできるだけ明度の高いもの
- 中性色・・・暖色でも寒色でもない色。色相番号「9〜12、20〜24」の色
- 紫と名前がつく色相は青紫〜紫みの赤まで。色相番号は1、20〜24のいづれか
- 色相・トーンに対するの明度の知識(8が一番高い、20が一番低い、pが高い、dkgが低いなど)
- 壁に対して
- トーン・オン・トーン配色
- 同じ彩度領域
- 明度差最大
- カーテンより明度が1.5高い
- 無彩色
この条件を満たす色相番号はひとつしかありませんが、わかりましたか?
カーテンの色はsf12です
解答欄 | 解答 | トーン | 色相 | 彩度 | 明度 | メモ |
壁 | sf10 | p or sf 中彩度⇒sf | 黄緑 ⇒10 | |||
カーテン | sf12 | p or sf 壁とトーンイントーン ⇒sf | 壁の類似色相 中性色 ⇒12 | |||
椅子 | p or sf | |||||
ラグ | ||||||
壁のパネル |
条件4
4.椅子の色は、中性色、紫系の色相から明度の高い色相を選択し、壁、カーテンに対してできるだけ明度の高いものにすること
椅子の色についてですね。解読していきます〜
ふむ。紫の色相ですね。明度明度言ってますね。文章で読むと頭が混乱しますけど、表にすると案外簡単ですよ。
解答欄 | 解答 | トーン | 色相 | 彩度 | 明度 | メモ |
壁 | sf10 | p or sf 中彩度⇒sf | 黄緑 ⇒10 | |||
カーテン | sf12 | p or sf 壁とトーンイントーン ⇒sf | 壁の類似色相 中性色 ⇒12 | |||
椅子 | p or sf | 中性色 紫系の色相で明度が高い | 壁・カーテンに対してできるだけ高い | |||
ラグ | ||||||
壁のパネル |
色彩の基礎知識より
トーンは条件1でペールトーンかソフトトーンと決まっているので、sfに対してできるだけ高いということで、トーンはp+確定。紫系の色相中性色、明度が高いと言われたら、24しかありません。
解答欄 | 解答 | トーン | 色相 | 彩度 | 明度 | メモ |
壁 | sf10 | p or sf 中彩度⇒sf | 黄緑 ⇒10 | |||
カーテン | sf12 | p or sf 壁とトーンイントーン ⇒sf | 壁の類似色相 中性色 ⇒12 | |||
椅子 | p24+ | p or sf ⇒p | 中性色 紫系の色相で明度が高い ⇒24 | 壁・カーテンに対してできるだけ高い | ||
ラグ | ||||||
壁のパネル |
条件5
5.ラグは、壁に対してトーン・オン・トーン配色とし、同じ彩度領域で明度差を最大にすること
これまで情報がなかった「ラグ」についての記述です。
トーン・オン・トーン=同一色相配色なので、壁の色相「10」と同じ。ソフトトーンは中彩度なので、中彩度でソフトトーンと明度差が最大になるトーンはdk。
解答欄 | 解答 | トーン | 色相 | 彩度 | 明度 | メモ |
壁 | sf10 | p or sf 中彩度⇒sf | 黄緑 ⇒10 | |||
カーテン | sf12 | p or sf 壁とトーンイントーン ⇒sf | 壁の類似色相 中性色 ⇒12 | |||
椅子 | p24+ | p or sf ⇒p | 中性色 紫系の色相で明度が高い ⇒24 | 壁・カーテンに対してできるだけ高い | ||
ラグ | dk10 | 壁とトーン・オン・トーン ⇒10 | 壁と同じ彩度領域 ⇒中彩度 | 壁と同一色相・同じ彩度領域で明度差最大 | ||
壁のパネル |
条件6
6.壁のパネルはカーテンより明度を1.5上げた無彩色とする
ラストー! 壁のパネルは、
明度を覚えているかどうか(明度表を書けるかどうか)を問われていますね。
(参考)明度表
カーテンはsf12なので、sf12の明度は6.5。これより明度が1.5高い=明度8.0の無彩色は、Gy-8.0。
解答欄 | 解答 | トーン | 色相 | 彩度 | 明度 | メモ |
壁 | sf10 | p or sf 中彩度⇒sf | 黄緑 ⇒10 | |||
カーテン | sf12 | p or sf 壁とトーンイントーン ⇒sf | 壁の類似色相 中性色 ⇒12 | |||
椅子 | p24+ | p or sf ⇒p | 中性色 紫系の色相で明度が高い ⇒24 | 壁・カーテンに対してできるだけ高い | ||
ラグ | dk10 | 壁とトーン・オン・トーン ⇒10 | 壁と同じ彩度領域 ⇒中彩度 | 壁と同一色相・同じ彩度領域で明度差最大 | ||
壁のパネル | Gy-8.0 | 無彩色 | カーテン+1.5 ⇒8.0 |
といった流れで解説完了でございます。
「解答の見直し」を考えると、表の形で解いていくのが効率よかったです。ただ「表」というものそのものが苦手な人もいると思うで、万人受けするかというと、どうだろうと。
問題考えたり、問題を解いたり、解説書くのは全然平気だったんですが、良かれと思って載せたテーブルタグにやられました。先延ばしにしていたわりに、書いたら30分かからずに終わりました。ダメですね、先延ばしにするの。すいません。ちゃんとします。
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